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線の画家 ベルナール・ビュフェ

22/3/12(土)~23/3/26(日)

ベルナール・ビュフェ美術館(クレマチスの丘)

【新館展示室】
画面を覆うひっかき傷のような線、黒い輪郭線、鋭く突き刺さる垂直線…ベルナール・ビュフェといえば「線」で語られてきた。しかしその線は決して一様ではありません。ビュフェの「線」はいつ生まれ、画家は「線」で何を表現しようとしていたのだろうか。
第二次世界大戦直後に描かれた初期作品では、鉛筆で描きこまれた無数の線、そして細い線を幾筋も重ねるように描かれた輪郭線が目を引く。戦後の空気と、その痛いような線の表現は見事に呼応し、ビュフェは19歳にして批評家賞を受賞する。同館の創設者が「絶望のオリジナリティ」と呼んだビュフェの「悲哀と絶望に満ちた線」は、たちまちのうちに世界を席巻し、ビュフェを時代を代表する画家にした。「線」は、一目でわかるビュフェの代名詞となっていったのだ。
やがて戦後の空気が薄れ、ビュフェへの評価が変わっても、ビュフェは自身の線を追求し続ける。時にはますます太く黒く世界と「もの」を隔て、時には、絵の具のかたまりとしてカンヴァスに厚く盛り上がり、時にはいまにも溢れ出さんばかりの色彩を封じ込め、時には細く繊細に風景を彩る。1980年代には、ビュフェは自在な線を駆使し、《ドン・キホーテ》の壮大な物語の個性的な登場人物たちを描き出す。晩年、病に侵されてからも、ビュフェの線の力は変わらない。最後のテーマ展「死」の連作にいたるまで、ビュフェの線の変遷にみちびかれながら、その画家人生をたどる。(全館で100点以上のビュフェ作品を展示)

【本館・中展示室】
ベルナール・ビュフェ美術館導入部分となる本館・中展示室では、初期作品を通じて、ビュフェがデビューした時代の空気と、その作品が当時どのように受け入れられていたかを紹介する。
ベルナール・ビュフェは1928年パリ生まれ。10代のほとんどを第二次世界大戦中に過ごした。戦中・戦後の物資の乏しいときにも、工夫をかさね絵を描き続け、1948年、19歳での『批評家賞』の受賞をきっかけに、一躍人気画家となる。
ちょうどこのころ、1940年代末から1950年代にかけては、さまざまな分野の文化人、芸術家たちがパリのサン=ジェルマン=デ=プレ界隈のカフェで交流し文化を生み出していた。神経質な細い線、色彩のなさ、投げ出されたかのようなモチーフなど、ビュフェの表現は、サン=ジェルマン=デ=プレの“顔”であったサルトルやカミュの思想とも結びつけられ、熱狂的に支持された。そうしたパリの空気の中、ビュフェは時代のシンボルとなっていったのだ。
ビュフェの初期作品、およびパリを描いた作品とともに、サルトル、サガン、グレコなど、時代を彩った面々をとらえた写真も展示する(撮影:ロベール・ドアノー)。ベルナール・ビュフェを生み出した時代である「サン=ジェルマン=デ=プレの時代」を感じてみてほしい。

前期:2022年9月27日(火)まで
後期:2022年9月30日(金)より

開催情報

ジャンル
美術館

10:00〜17:00(3月〜10月)、水曜日・木曜日(祝日となる場合は開館し続く金曜を休館。ただし2022年5月4・5日は開館、6日も開館します)、年末年始(2022年12月26日(月)~2023年 1月5日(木))休館

※11月〜2月は16:30まで
※2022年3月は水曜日のみ休館
※入館は閉館の30分前まで

料金

一般1000円(900円)、高・大学生500円(400円)、中学生以下無料

※( )内は20名様以上の団体割引
※学生の方は学生証等をご提示ください
※障害者手帳ご持参の方は半額となります
※クレジットカードはご利用いただけません7月10日はベルナール・ビュフェの生誕記念日につき無料でご入館いただけます
※クレマチスの丘のメールマガジンに登録すると、入館料割引の特典があります
※入館料がお得になる、クレマチスの丘の美術館・文学館4館の各種組み合わせ共通券もございます。受付でお問い合わせください。

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