Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

原 直久「アジア紀行:上海」

22/5/11(水)~22/6/25(土)

PGI

原直久はヨーロッパのパリやイタリア山岳都市など、8×10インチの大判で撮影した都市風景作品で知られている写真家だ。近年は、急速に変わりゆくアジアの都市風景を撮影したアジア紀行シリーズを続けて発表している。そのプリントは、完璧な技術により揺るぎない美しさを湛え、日本のみならず海外でも多くのファンを魅了しています。2017年には、台湾の国立歴史博物館で大規模な回顧展が開催された。
長年ヨーロッパの都市風景を取材してきた原は、2000年に初めて韓国を訪れ、ヨーロッパにないアジア独特の熱気や活気に驚き、アジア紀行シリーズの撮影を始めた。原は2022年3月まで長年にわたり日本大学芸術学部で教鞭を執っており、このシリーズでは各地で活躍している原の指導を受けた元留学生たちが、運転手、通訳、荷物運びなど率先して撮影をサポートしている。韓国から始まり、台湾、北京と続き、今回は2007年から2009年に撮影された「上海」を展示する。
2010年の上海万博を間近に控え、古い建物が次々取り壊され、街が近代的な建物に塗り替えられている様を目の当たりにした原は、現地の人々がほとんど関心を示さずに失われてゆく、庶民が生活する里弄(リロウ)と呼ばれる集合住宅など、古くから続いてきた生活風景を中心に撮影した。上海はかつて租界と呼ばれる外国人居留地があり、その影響で中洋折衷の独特なレンガ造りの建物が多く見られる。撮影からすでに10年以上の年月が経過しており、その風景の多くは姿を変え、失われている。逃げも隠れもできない8×10インチの大判カメラを使って対象に向き合い、長い年月の汚れが染み込んだレンガや、瓦礫、山積みの西瓜など、質感豊かに、細かなディティールまでじっくり印画に現した原の作品に向き合うと、ストレートな写真の持つ記録性や力強さを感じられ、想像力を喚起させられる。
原は1990年代からは、豊かな階調と、高い保存性を誇るプラチナパラジウムプリントで作品制作を行っている。安定した貴金属であるプラチナとパラジウムを含む感光液を紙に塗布して印画紙を作り、印画紙サイズの拡大ネガを作成し、特別な紫外線光源で密着焼き付け、現像処理を行う手間のかかる古典印画法の一つだ。原は最高の結果を得るために、条件が整う夏の限られた時期に集中してプリント制作をしている。
本展ではプラチナパラジウムプリントによるモノクロ写真作品 約30点を展示予定。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~18:00、日・祝日休廊

料金

無料

出品作家

お問い合わせ

アプリで読む