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宮永愛子展「くぼみに眠る海」

22/7/6(水)~22/8/6(土)

ミヅマアートギャラリー

©︎MIYANAGA Aiko Courtesy Mizuma Art Gallery

ミヅマアートギャラリー では7月6日から宮永愛子展「くぼみに眠る海」を開催する。
近年も精力的に作品発表を続けている宮永愛子は、2019年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞、昨年は東京ビエンナーレ2020/2021や「コレクションとの対話:6つの部屋」(京都市京セラ美術館)、「世界は人間なしに始まり、人間なしに終る」(国立台湾美術館)に参加するなど国内外で活躍している。
コロナ禍に期せずして京都に居を移すことになった宮永は、約16年ぶりに故郷で生活することとなった。実家は曾祖父である初代宮永東山(1868-1941)が開いた宮永東山窯。110年ほど前に築窯された。和風住宅に洋間を設ける建築が流行した当時、その洋間にふさわしい陶彫が数多く生み出された場所でもある。それらの大量の石膏型は、整理が追いつかないまま家の工房に山積みになって置かれ、宮永は幼い頃から型のある景色の中で生活をしてきた。
近年の外出制限のある生活で、自然と家族や身の回りの日常に目を向ける機会が増えたことは、改めてその型の存在に気づくきっかけとなった。作品としては展示されることのない脇役としての石膏型。そこにある凹みとしての不在(空間)に惹かれ、今ではほぼ現存していない陶彫に思いを馳せる時間が流れ始めた。
「結局は人にまつわるもの、人の時間に興味があるんだと思います。私のなかで不在は存在であり、不在だから「ない」とは感じません」
と語る宮永は、その型の凹みに永く眠っていた不在を、ガラスで湛え今の時間で取り出すことを試みる。型の隙間が、突如として実態のあるものとして形を成し、重さをもって現れたことは、自分の見たことのない過去が会いに来てくれたような感覚だったと言う。光を纏い、現在を内包した存在に対峙すると、過去との時間が繋がり、それが新しい始まりとなる。
本展はこれらのガラス作品と共に、凹みの表層をなぞるかのように、ナフタリンで薄く象られた彫刻が並び、留まっていた時間から解放され新しい時間を刻んでいく。
約100年前の人々の生活や、アールヌーボーに憧れ探究心と情熱を持って制作していた東山窯の情調を今の景色に重ねた、宮永愛子の新作をぜひご高覧いただければ幸いである。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

12:00〜18:00、日曜・月曜・祝日休廊

料金

無料

出品作家

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