美をつくし―大阪市立美術館コレクション

大阪市立美術館は、東京・京都に次ぐ日本で三番目の公立美術館として、昭和11年（1936）に開館した。長年にわたり築かれたコレクションは、日本・中国の絵画や書蹟、彫刻、工芸など8500件を超え、時代も紀元前から近代まで実に多彩だ。とりわけ関西の財界人によるコレクションをまとめて収蔵する点に特徴があり、美術館の敷地も住友家から大阪市に本邸跡地が寄贈された。
現在、美術館の建物は登録有形文化財（建造物）に指定されているが、開館90周年（2026）を前に大規模な改修工事が行われることとなった。そこで本展では、この長期休館を機に、各ジャンルから厳選された優品をご紹介する。同館でもそろって展示されることが滅多にない名品を、館外で一堂にご覧いただける初めての展覧会だ。
展覧会名「美みをつくし」は、大阪市章にもかたどられる「澪標みおつくし」になぞらえたもの。難波津の航路の安全のために設けられた標識「澪標」のように、美の限りをつくしたコレクションの世界へ身をつくしてご案内する。
※作品保護のため、会期中展示替を行う。