face to face Vol.Ⅱ

鈴木良治 「Girl.　娘」 油彩　2022年　410×318mm

マスク生活も２年が経ち「顔」という個人のシンボルが見え難くなった今、表情/感情を読み取る能力の低下が問題視され始めた。現在の学生たちはマスクを外せば、まるで個人情報を盗み見られたような感覚に陥り、SNS上の加工された顔に慣れたことで他者とマスク無しで対面することに居心地の悪さを感じることもあるようだ。絵画の歴史上、感情表現の象徴として、ストーリーを語る上でも重要な役割を果たしてきた「肖像画」も今後、少しずつ意味合いが変化していくのではないだろうか。
２回目を迎えた今展では、今一度「肖像画」に焦点を当て、現代を生きる5名の作家が生み出したそれぞれの「顔」をご紹介する。他者との関係、過去・未来、そして悲しい紛争など何かに直面している表情、また歴史上の著名人たちを通しその内面と向き合える作品の数々を展示販売。国籍、性別、作風も違う作家たちのそれぞれの表情をご堪能いただきたい。