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踏み倒すためのアフターケア

22/9/23(金)~22/10/23(日)

アキバタマビ21

場所が持つ文脈を表現に取り込む時、少なからず矛盾や困難が生じる。
この展覧会に参加するのは、独り地方で制作する者、山を愛す者、不親切なギャラリーを運営する者、特定の地域を題材に制作する者、他者との対等な関係を模索する者、いずれも独自の場所と関わり続ける5人のアーティストである。
特定の地域や、コミュニティ、自然環境など、表現が生まれる場所とその表現の関係を意識してみる。すると、場所固有のレギュレーションや、コミュニティへの不適応、場所に由来する他者の期待と表現の方向性の違いなど、矛盾や困難と直面する。それらを引き受けながら表現を成立させるためには、場所に由来する誰かの期待を、踏みにじりこそしないが踏み倒すことがあるのではないか。場所と表現は必ずしもギブアンドテイクの関係ではない。
展覧会のタイトルである「踏み倒すためのアフターケア」とは、「表現と場所との関係の中で生じる矛盾や困難を引き受ける」ための「遅効性の還元要素」という意味である。またそれは、アーティストが、他者を尊重しながらもその理想に媚びずに済むように、そっと忍ばせる約束である。
上田哲也は、中国北京の清華大学大学院に進学し、彫塑を学ぶ。アジア屈指の教育機関での伝統的な美術のあり様を目の当たりにし帰国後、現在は故郷の香川県で独り制作を続けている。常にアートにおける保守と革新の対立構造の板挟みにあってきた彼は、今も黙々と創作活動を続けている。
加々見太地は、東京藝術大学大学院在籍中から、アラスカやヒマラヤの山々に赴くほどの登山家であり、彫刻という時間と手間のかかるメディアを愛好する。登山活動と親和性の高い写真表現に飽き足らず、共有不可能に思える圧倒的な自然体験を作品に還元する方法を模索している。
Taka Konoは、NYのパーソンズ美術大学を卒業後、千葉県松戸市を拠点に、mcg21xoxoというギャラリースペースを運営している。国外のアーティストとの交流が多く、アンダーグランドな特徴をもつ彼の活動は、幾多のトラブルに見舞われながらも、人々の支持を得て展開されている。
下大沢駿は、横浜市内の新興住宅地で育った自身の経験をもとに、都市計画が生む断絶を克服するため、都市計画における自然の人工性に着目している。東京藝術大学大学院修了後は千葉県内の新しくない地域に拠点を置き、ケーススタディとして様々な地域でニュータウン的要素を探している。
平山匠は、自閉症の兄の存在をきっかけに、他者を理解するためのアートを追求している。東京藝術大学美術教育研究室を修了後、品川区にアトリエサロンコウシンキョクというスペースを設立し、展示やイベントを企画することで、流動的で変容可能なコミュニティを育んでいる。
この展覧会では、5人のアーティストによる作品と展覧会テーマに対してのステートメントを提示し、会期中に行われるトークイベントを通して、場所の文脈を表現に取り入れることで生じる矛盾や困難をどのように作品が担うべきかを考察する。
(企画代表 下大沢駿)

開催情報

ジャンル
ギャラリー

12:00~19:00、火曜日休場

※金・土は20:00まで

料金

無料

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