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黒宮 菜菜「鳥を抱いて船に乗る In the boat with the bird」

22/10/1(土)~22/10/29(土)

ギャラリーノマル

船に乗る #2, 2022

2019年の大原美術館の若手作家支援事業「ARKO」招聘と同館での作品発表、2020年3月に開催されたVOCA展2020への参加(佳作賞受賞)など、近年着実に評価を高めている画家・黒宮菜菜。
黒宮の作品は、主に人物像をモチーフとして、液状に溶いた油絵具による油彩作品と、重ねた和紙に染料を滲ませて描く紙作品、2タイプの技法を使い分けて制作される。
画中に描かれた境界が曖昧で幻想的なイメージは、見る人の想像力を喚起させ、曖昧であるが故により強い印象を脳裏に焼き付ける。また絵具が流れた痕跡からは、様々の移ろいが美しくまた儚くも想起させられる。
前回、2020年の当画廊での展覧会では新しいイメージの展開として、自身で考えた物語の1シーンを切り取って描いた新シリーズを発表。実際にある小説から題材を取ったそれまでの作品から、より当人の描きたいテーマに寄った、自由で見るひとの想像力がより掻き立てられる魅力ある展示となった。
今展では、日本の古墳時代にまでさかのぼり、実際にあったであろう史実を元に、当時の人たちの死生観や自然との関わりに着目。時空を超えて人間の根源的な本性を探る作品を展開する。また今回は油によって絵具にもたらされた流動性から、蜜蝋による物質の封印という表現の変化が新たに現れている。
なお、展覧会半ばの10/15(土)には、ノイズ界のマッドドクター・K2(草深公秀)を静岡から迎えて関連ライブ「Bird」を開催。重厚なノイズサウンドとsara(.es)のピアノが織り成す豊潤な音像が、黒宮の作品世界と呼応する特別な時間となる。
様々な困難に直面している現在の社会・世界状況にあって、描くことを通して人間性を真摯に探求し作品に昇華する黒宮菜菜の新作展。是非ともご注目、ご高覧いただきたい。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

13:00~19:00、日曜・祝日休廊

料金

無料

出品作家

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