みる誕生 鴻池朋子展
22/11/3(木)~23/1/9(月)
静岡県立美術館
ロダン館の背後に広がる鬱蒼とした裏山へ分け入り、美術館からの《逃走ルート》を探しだすことから、ここ静岡での鴻池朋子の『みる誕生』が始まった。
鴻池は、あらゆる身近なメディアを用いて、旅をし、地形や季節と共に作品をつくり、一貫して自身の足元から芸術の根源的な問い直しを続けてきた。「みる誕生」とは、生まれたての体になって世界と出会う驚きを表す鴻池の言葉だ。視覚だけではなく、観客は作品を手で看(み)て、鼻で診(み)て、耳で視(み)て、そして引力や呼吸で観(み)て、眠っていた感覚を目覚めさせる。今回は、実際に裏山の小径を整備し、美術館という硬直した建築と、疎遠になってしまった自然界に、観客の身体と想像力とで新たな通路を開いていく。
また一方、国立療養所 菊池恵楓園 絵画クラブ「金陽会」の作品、多くの方々と手芸で綴る《物語るテーブルランナー》という他者の力、人間以外の造形力である《どうぶつの糞》にも加勢してもらい、美術館のコレクションと豊かに対話させ。
これまで芸術が特権的に提示してきた価値観、それによる文化と経済のグローバリズムの構造が、今、地球規模の問題とともに大きな転換期を迎えている。本展は、前会場の高松市美術館からそのリレーのバトンを引き継ぎ、この静岡の地でさらに変容を重ねる。芸術は、常に生き延びるために伸縮や宙返りを繰り返し、揺れ動いています。生きていることは、みな、時も光も全て違う。観客さえも、もはや人間だけではないのだ
開催情報
- ジャンル
- 美術館
10:00~17:30、月曜日休館(月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日休館。ただし、1月2日(月)と1月9日(月・祝)は開館)
※入館は閉館の30分前まで
料金
前売一般1000円、70歳以上・大学生500円、中学生以下無料
当日一般1200円、70歳以上・大学生600円、中学生以下無料
団体一般1000円、70歳以上・大学生500円、中学生以下無料
※収蔵品展、ロダン館も併せてご覧いただけます。
※団体のお申込/20名以上の団体のお申込は、美術館総務課へお問合わせください。
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方と付添者1名は無料。
※混雑が予想される土・日・祝日は予約優先制を実施しています。ご予約は当館ウェブサイトからお願いいたします。予約無しでご来場頂きますと、お待ち頂く場合や、混雑時にはご入場頂けない場合があります。