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ISLAND LOVE MADSAKI

22/10/28(金)~22/11/26(土)

Kaikai Kiki Gallery

©2022 MADSAKI/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

2022年10月28日より、カイカイキキギャラリーではMADSAKIによる新作個展「Island Love」を開催する
世界がパンデミックから少しずつ日常を取り戻しつつあった昨年8月、当時の空気感と世界の情勢に対して怒りにも似た気持ちを抱えていたMADSAKI。
長年休暇の時に自身のリセットのために通っていた「第2の故郷」であるハワイ島にも2年あまり渡航できず、悶々とした日々が続いていた。
MADSAKIのそのような状況を見かねた妻がハワイ島への渡航を提案。都合により家族が一緒に渡航ができない状況下で、一人きりでの渡航を躊躇していたMADSAKIだが、これまでMADSAKIがハワイ島での時間を通して頭を空っぽにして充電し、リセットした上で帰国して制作を続けていたこと、そしてそれがいかにMADSAKIのメンタルにとって重要であったかをよく知っていた妻の強いすすめにより、かなり久しぶりに単独でハワイ島へ向かった。
現地では、20年以上前から交流がある友人で、ハワイ島に30年以上住み続けている日本人のニックのヒロの家に3週間滞在。
ひたすら彼の家の庭と海だけを行き来して他の場所には全くどこにも行かない日々、そして久しぶりに家族とも離れ、MADSAKIの父親と同年代でもあるニックと二人きりで過ごす毎日がスタートする。
MADSAKIは、毎日ひたすらニックの家の庭仕事で汗を流し、そして地元住民が愛し、作家にとっても「世界中で一番大好きな海」で泳ぐ事だけを繰り返すことで、徐々に本来の自分を取り戻して、精神的な癒しを得て、充電されたという。
そんな島での生活について、MADSAKIは以下のように語る。
“毎朝早く起きて、ニックと共に車で海に出かけて、人のいないビーチを堪能し、ビーチに人々がやってくるお昼には家に戻って一緒にランチタイムを過ごして一服。午後は庭仕事で汗を流し、身体中が土と汗にまみれたあとは、またビーチに1人で出向いて夕方の日没まで海でゆったりと過ごす。
この家と海の往復をひたすら繰り返す事で、頭の中が空っぽになりリセットされていき、朝起きて座ってるだけで幸せを感じ、生きてるだけで大満足という心持ちになる。” 
それは、いわゆる観光旅行的な要素は排した、ロコ(地元民)感覚に近く、大変幸せで充実したものだったそうだ。
また、”ヒロに居る方が自身にとってベストな生活で、本当の自分。人間の本来の姿でもあり、東京での生活では感じられない感覚。その事は自分でも既にわかっている。けれどもハワイ島に居ると精神的に満足してしまい、絵を描く気持ちにはなれない。東京にいるからハワイへの慕情が自分に絵を描かせる。”
と、その矛盾した心境も語る。
長年訪れ続けていたハワイ島をテーマに描く構想自体は、以前より持ち続けていたというMADSAKI。
今回パンデミックが発生し、旅行だけでなくそもそも自宅からも出づらい状況が続いたこのタイミングだからこそ、そのテーマで作品を制作できると初めて思えたという。
3週間の滞在の後、ハワイ島からスタジオがある東京に戻ったMADSAKIは、滞在中に撮影したスナップショットを見返し、島でのシンプルな暮らしの中のみずみずしい瞬間を切り取った写真を選んで、絵画を制作した。
そのようにして制作された作品群に登場するのは、3週間の滞在でひたすら繰り返した、「庭仕事と海」というシンプルな日々の中での光景だけで、極めてパーソナルなスペースのみが描かれる。
それは、長年のニックとの交流の中でMADSAKI自身が実感してきたハワイ島の本当の魅力であり、旅行者が眼差す「ハワイ島」は全く異なるものだ。ヒロへの思いとともに、ニックからこれまで学んできたこと、リスペクトを込めて作品を制作したという。
本展タイトルとなる「Island Love」は、ニックとビーチからの帰りの車の中、カーラジオで流される「KAPA RADIO」(地元のラジオステーション)で、愛する地元のクラシックチューンThe Peter Moon Bandの「Island Love」が流れたその完璧なシチュエーションに、2人で歓声をあげて楽しんだ瞬間にちなんでいると作家は語る。
これまで、名画や映画の名シーンなどを下敷きとした「WANNABIE’S」シリーズに、自身の妻を題材とした「嫁シリーズ」や家族写真を描いたシリーズなど、数多くパーソナルなテーマを描いてきたMADSAKI。
本展のシリーズはMADSAKI自身の精神的な癒しの心象風景やプロセスにフォーカスしており、これまでの作品群に通底しつつ、さらに作家自身のコアな心の部分に踏み込んだ作品といえるだろう。
「Island Love」に込められた、作家にとってかけがえのないハワイ島での瞬間、都会・そして家族からも離れて過ごした極めてプライベートな日々、そして旅行者が目にするのとは全く異なる、作家の「ソウル」としてのハワイ島の姿をぜひお楽しみいただきたい。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00〜19:00、日曜日・月曜日・祝日休廊

※11/2(水)〜11/6(日)Art Week Tokyo期間中は毎日10:00~19:00までオープンいたします。

料金

無料

出品作家

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