キャラクターデザインの先駆者 土方重巳の世界
23/2/11(土)~23/4/9(日)
横須賀美術館
土方重巳は、1915(大正4)年に兵庫県に生まれた。戦前、戦中、戦後はグラフィックデザイナーとして活躍し、1949(昭和24)年、劇作家の飯沢匡と出会ってからは、子どもに向けた仕事に取り組んだ。土方は「きれいでキチンとしたものを、子ども達の心に植えつけたい」という飯沢の信念に共感し、この名コンビは、絵本版『ヤンボウ ニンボウ トンボウ』や、NHK テレビ「おかあさんといっしょ」の人気人形劇「ブーフーウー」など、数々の魅力的なキャラクターを手がけた。1952年からはじまり、土方がデザインを担当した人形絵本シリーズは国境を越えて、アメリカ、フランス、ドイツなど世界78 ヶ国、15 ヶ国語で80 種類が出版されたという。
また、土方は今も愛されている佐藤製薬のキャラクター「サトちゃん」の生みの親であり、飯沢匡とともにアサヒビールやミツワ石鹸の人形アニメーション CM をつくるなど、企業広告の分野にも足跡を残した。
本展では、かわいいキャラクター達の原画やグッズはもちろん、土方が戦前戦中に東宝で手がけた名作映画のポスター、戦後フリーのデザイナーとして手がけたバレエやオペラの公演ポスターも多数ご紹介。土方の多彩な仕事をたどる関東初の回顧展である。