アイラブアート17 プレイプレイアート展
23/3/19(日)~23/8/3(木)
ワタリウム美術館
あなたはここで、風に向かって今まさに波の上に立つ天使を目撃する。あなたの前に立つのは「Surf Angel(Provisional Monument 2)」。昨年、石巻の芸術祭「リボーンアート・フェスティバル2021-22」のために小谷元彦が制作した全長6メートルの天使だ。
その天使をナムジュン・パイクのロボット「K-567」が出迎える。1964年、パイクが制作した世界初のアートロボット「K-456」の娘として生まれたロボットだ。そしてファブリス・イベールが制作した噴水「ベシーヌの人」が身体の11の穴から水を撒いている。1991年にフランスの村ベシーヌで誕生して以来、未来の人間、地球外生物のようなこの噴水は、周囲に溶け込み、今や100体以上ものクローンやコピーが地球上に広がっている。
あなたがこのアートの遊び場に立つならば、未知のメッセージに出逢うだろう。
あなたがアートと対話するならば、その瞬間、あなたの生活や現実にアートが関わってくるだろう。
「もう一つの世界や次元への乗り物を表す幾何学形態マカバの頭部をもつ天使は、サモトラケのニケの像と同じ服を着ています。バランスを取っているのか、それとも浮遊しているのか、無防備なほど両手を大きく十字方向に広げた姿には、さまざまな記号を重ねています。 」 小谷元彦 2022年
Surf Angel(Provisional Monument 2)解説テキストより
本展では、ワタリウム美術館のコレクションより19人のアーティスト、さらにゲストアーティストとして小谷元彦を迎え、古代ギリシアから上野公園まで、作品約150点を広場の中の風景や人物に見立て展示する。
「結局、人間の活動は“いかにエネルギーを最小にしつつ膨張あるいは流れていくか”ということにあるんだろうね。遊牧民族は、それをひとつの典型として知っていた。 別の言葉で言えば“遊び”ですね。 これが次の世代の最大の問題ね。」ナムジュン・パイク 1981年
『遊学の話 松岡正剛と10人の遊学者たち』(工作舎)より
この展覧会は、突如、地球上に舞い降りた天使たちを、あなたにみつけてもらうための“アートの遊び場”かもしれない。