所蔵作品展 千の花咲くヴェネチアン・グラス~きらめく初夏の庭園~
23/4/22(土)~23/7/9(日)
箱根ガラスの森美術館
ミルフィオリ・グラス・ランプ 1910年頃 ヴェネチア フラテッリ・トーゾ工房
気温の変化を捉えて毎年、花を咲かせる植物。その花の美しさが目に留まり、季節の移ろいを感じることがある。一瞬で人々の心をとらえる花は、古くから芸術、服飾、インテリアなどあらゆるもののモチーフとして、多く用いられている。本展覧会では、所蔵作品の中から「花」をモチーフにした繊細優美なヴェネチアン・グラスを展示する。
ヴェネチアのガラス職人たちも、色とりどりの花の世界を造形や絵付け、彫刻など様々な技法でガラスに表現してきた。なかでも断面が花模様になったガラス片を用いて制作されるガラスは、器に多くの花が咲いたようにみえることから、イタリア語で千の花を意味する「ミルフィオリ・グラス」と呼ばれている。今回は、特にその技法に注目して、歴史やガラスに千の花を咲かせる制作工程にも詳しく触れながら、作品の魅力を紐解く。
また、標高650m程に位置する箱根ガラスの森美術館では、期間中、初夏の訪れとともに新緑と花の季節を迎える。新緑の煌めきや庭園に咲く花々、そしてヴェネチアン・グラスに表現された「花」との競演もお楽しみいただきたい。