いとしのレトロ玩具　――もう逢えないと思ってた、がここにある――

玩具とともに人は成長し、その懐かしい思い出とともに生きていく。いつだって楽しくて魅力的で、ときには寄り添い、友とも師ともなる、「玩具」という小さくて大きな存在は、他の動物が作り出すことのなかった、人類が生み出した奇跡のひとつと言えるだろう。
16世紀から19世紀にかけて世界的にも突出したおもちゃ文化をつくりあげた日本の玩具界は、続く20世紀の激動の中、目まぐるしい変化を遂げた。可愛くて、繊細で、ユニーク。どの時代においても当時最先端の技術を詰め込まれ、人々の夢と憧れを一身に背負った玩具たちは、まさに世相を映す鏡だった。
本展では、20世紀日本の玩具界に訪れた大きな二つの変革（時代の精神・価値観といった文化的変革、テクノロジーの発達による変革）を軸に、遊び心と夢にあふれたレトロ玩具のあれこれをご紹介し、玩具史に今も燦然と輝く100年間のムーブメントを追う。