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近藤聡乃展「ニューヨークで考え中」

23/7/5(水)~23/8/12(土)

ミヅマアートギャラリー

《「ニューヨークで考え中」ドローイング One World Trade Center, September 25, 2021》 2023、紙にインク、36.4 x 51.5 cm 撮影:宮島径 ©KONDOH Akino, Courtesy of Mizuma Art Gallery

ミヅマアートギャラリーでは、7月5日(水)から近藤聡乃展「ニューヨークで考え中」を開催する。
近藤のニューヨークでの日々を綴ったコミックエッセイ「ニューヨークで考え中」(亜紀書房のウェブマガジン「あき地」にて連載中)は昨年で連載10年を迎えた。
本展は単行本『ニューヨークで考え中』第4巻の発売に合わせ、4巻収録のマンガ原稿とそれに関連したドローイングを中心とした展示になる。
コロナ禍の日常からはじまる4巻では、トランプ氏の2度目の大統領選挙、東日本大震災から10年、アメリカ同時多発テロから20年の節目を迎えたこと、ロシアのウクライナ侵攻開始などの社会的な出来事と、個人的な出来事(自宅での水漏れ事故の顛末、身内の手術、猫を飼い始めたことなど)が1エピソード見開き2ページで、等価に描かれている。
「タイトルで『考え中』と言っていますので、結論を出さなくて良いのがこの連載の気楽なところです。親しい人に近況を報告するような気持ちで、生活しながら、街を歩きながら、また街の片隅に座りながら考えたことを描いてきました。」と近藤は回想する。
連載を通してマンガの資料になりそうな写真を撮ることが習慣になったという近藤は、今回写真をトレースして線を起こし、そこにキャラクターとしての「自分」を描くという方法でドローイングを制作した。ラフを原稿用紙にトレースしてマンガを描く近藤にとって、トレースは欠かせないマンガ制作工程の一つだ。また「現在」を描くコミックエッセイにおいて、写真をなぞり線に置き変えるという過程を通して、画面上に現実と「考え中」の自分自身の両方を表すことができると作家は考えている。
「ニューヨークで考え中」の「傍の一コマ」として描かれたドローイングには、エピソードから派生した場面やその後を思わせる場面が描かれている。画面の隅に書き込まれているのは作家が実際にその光景を撮影した場所と年月日だ。ドローイングはマンガに対し言葉が少ないことで、「考え中」の出来事を結論のないまま鑑賞者に委ね、鑑賞者自身がその日どこで何をしていたかを思い起こさせる。それぞれの日常を重ねてドローイングを眺める時、そこにまだ描かれていない情景が立ち現れることだろう。
また会場のひとコーナーを使って、「ニューヨークで考え中」第二百五十一話でも触れられている構想中の新作アニメーション「呼ばれたことのない名前」のイメージスケッチをまとめて紹介する。「モノクロ+カラー1、2色」で制作された今までの作品群とは対照的に、色彩あふれるスケッチが壁面を覆う。これまで肌を紙の地色や白で表現することが多かった近藤だが、長くニューヨークで暮らし、肌を「白」にしておくことに違和感を感じるようになったと言う。肌に色をのせたことで広がりをもちはじめた作品を通して、近藤のこれからについても期待してほしい。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

12:00~19:00
日曜・月曜・祝日休廊

料金

無料

出品作家

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