「江戸の妖怪絵巻」
23/8/1(火)~23/9/3(日)
国立歴史民俗博物館
「大石兵六物語絵巻」(部分) 江戸時代後期 国立歴史民俗博物館蔵
江戸時代には絵本や草双紙、絵巻、錦絵などありとあらゆる種類の妖怪図が無数に制作され、妖怪ブームの時代だったといわれている。その理由のひとつは、妖怪というものが描き手の想像力を刺激するものだったからだろう。同館は「怪談・妖怪コレクション」と題して、国内でも有数の幽霊や妖怪の絵画コレクションを有している。今回の特集展示はその中から絵巻という形式に焦点を当てて展示資料を選抜する。室町時代に成立し、江戸時代に多数の模写作やアレンジ作を生んだ“百鬼夜行絵巻”の中で、同館所蔵の狩野益信作は江戸初期の優品だ。
「百鬼夜行図」のように妖怪たちのパレードを描く“百鬼夜行絵巻”の他に、江戸時代には妖怪図鑑ともいうべく、多種類の妖怪を羅列的に並べた絵巻も生み出された。「化物絵巻」はそうした作例のひとつ。
また、源頼光と四天王らによる土蜘蛛退治を描く「土蜘蛛草子」のように中世の御伽草子の流れを汲むものや、鹿児島を舞台に妖狐を退治する侍大石兵六を主人公にした物語「大石兵六物語絵巻」など、絵巻本来のストーリー性を持つ構成をとるものも展示する。
併せて、純粋の妖怪だけではなく、地獄をテーマにした耳鳥斎の戯画「地獄図巻」も加えることで、絵巻という形式の中で多彩な展開を見せた江戸期の妖怪図を紹介する。

