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新井卓 日日の鏡

23/7/5(水)~23/8/23(水)

PGI

2021年1月4日、鏡ごしのセルフ・ポートレイト、川崎 ©Takashi Arai

新井卓は、写真黎明期の技法であるダゲレオタイプを使って表現する数少ない写真家の一人だ。
写真の原点を探る中でダゲレオタイプを知り、試行錯誤の後に技術を習得。被写体に出会った時の感覚を、時間と空間を超えて見るものに生々しく伝えることのできる<小さなモニュメント>として、自身のメディアとしてきた。
2008年に渡米した際に購入したMichael Lightの『100 Suns』(1945年から1962年、地下実験以前の核実験を記録した写真集)と、2010年に着手したプロジェクトのコアになる第五福竜丸。この二つが大きなきっかけとなり、「核」に興味を持ち、撮るべき対象に出会っていく。
写真が常に過去であること、自身の作品も例外ではなく、「確実に過去になっていく」。そのことに端を発した「わたしたちは未来を予測することができるか」というシンプルな疑問がきっかけとなり制作された、若者たちのポートレイトと聴き取りによる作品、「明日の歴史」(2019年)が記憶に新しいが、新井は、コンセプトの中で常に、社会や他者との対話、歴史に根付く個人の在り方を、作品を通して模索してきた。
本展では、このたび新しく発刊される著書『百の太陽/百の鏡 写真と記憶の汀』を記念し、「日日(にちにち)の鏡」と題し、『毎日のダケレオタイプ』シリーズから作品を展示する。
写真家/美術家として活動を続けながら2011年から取り組んでいる『毎日のダケレオタイプ』は、震災後の時間と重なりながら、新型感染症の世界的なパンデミックや、社会情勢が不安定になっていく中、連綿と続く日々を記録している。
「日々という言葉には、だんだん蓄積していったり、発展していったりする語感がありますが、朝起きてダゲレオタイプを撮るたび、いつもゼロからスタートするという感じがあり、始めたときから変わりません。その感覚は、頻繁にリセットボタンが押されるような2010年代以降の日常の、よりどころのなさに近づいていく気がしています。」と語っている。
『百の太陽/百の鏡 写真と記憶の汀』は、文章と写真による初めてのエッセイ集となる。言葉に向き合うことは、自身の身体やパーソナルな世界に向き合う時間でもあった。身体、現実と非現実、汚穢と向き合う生。写真を撮る日日と地続きに生み出される言葉を、展覧会と本とで是非ご高覧いただきたい。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00~18:00
日・祝日休廊

料金

無料

出品作家

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