サムソン・ヤン「The World Falls Apart Into Facts」
23/9/30(土)~23/10/22(日)
京都芸術センター
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©Lily Yiyi Chan
香港を拠点に活躍し、2017年のヴェネツィア・ビエンナーレ香港代表を務めたサウンド・アーティスト、サムソン・ヤン。本作では、中国を代表する民謡「Molihua(茉莉花)」の系譜を辿る。この曲が清朝の時代に大英帝国を経てヨーロッパに伝わり、そこでアレンジされたものが中国に「再輸入」されたという経緯を、文化と政治の両面からリサーチし、映像とオブジェクトのインスタレーションとして制作。また、日本における唐楽(中国から朝鮮・日本に伝来した唐代の音楽で、雅楽の分類のひとつ)など、国と国を超えて作用する文化的系譜に関わるリサーチも、作品には含まれる。今回、ヤンは京都での滞在を通しても思索を深め、本作を再構成している。
今日、私たちが“日本的”ととらえる文化的系譜の多くは、歴史を振り返れば他国の文化を転用したものや、その影響下にあるものだ。国と文化を結びつけて語るとき、しばしば文化の純粋性や真正性といった概念を入れ込もうとする力が働くが、ヤンはそこにユーモアと疑問符をぶち込んでくれる。