イン・ビトウィーン
23/10/14(土)~24/1/28(日)
埼玉県立近代美術館

本展は近年当館の収蔵作家となった早瀬龍江(1905~1991)、ジョナス・メカス(1922~2019)、林芳史(1943~2001)に、ゲスト・アーティストとして潘逸舟(1987~)を加えた4名の作家に焦点を当て、作品や関連資料、関連作家の作品を交えながら紹介する。
日常と非日常、虚構と現実、過去と現在、国境、ジェンダーなど、世界には目に見える、あるいは目に見えない多くの境界がある。境界の存在は、向こう側を曇らせてしまうこともあれば、他方では自分の居場所を守るための拠りどころになることもあるだろう。過去から現在まで、多くの作家がこうした境界の多様なあり方に着目し、作品を通してそれを浮かび上がらせようとしてきた。また、境界に立つ当事者としての自身のアイデンティティに向き合い、制作を続ける作家も少なくない。
本展はこのような視点から、日常的な営みを起点に、絵画、版画、ドローイング、映像などそれぞれのメディアを用いた試みを重ね、他者との境界やアイデンティティについて思索を深める各作家の足跡を紹介する。さまざまな境界線のあわいに立ち、往還する作家たちの眼差しと手探りは、現在に生きる私たちの視野を豊かに広げてくれることだろう。