天心が託した国宝の未来 -新納忠之介、仏像修理への道
23/12/9(土)~24/2/12(月)
茨城県天心記念五浦美術館
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新納忠之介(1869-1954)は、東京美術学校を優秀な成績で卒業し、岡倉天心の強い勧めにより、文化財の修理に生涯を捧げた人物だ。明治31(1898)年、岡倉天心が創設した日本美術院に参加後、多くの仏像修理に携わり、天心の推進した文化財保護行政の一翼を担った。また、天心没後には、日本美術院の国宝修理部門が「美術院」と改称して独立し、新納はその中心を担った。
それまで確立した修理法が無かった仏像修理において、新納は試行錯誤を重ね、現状維持を基本とする新たな修理法を確立させた。その技術は今日まで引き継がれている。
本展覧会では、修理図面や研究ノート、書簡といった新納忠之介旧蔵資料の他、新納が模刻した仏像等の彫刻作品も展示する。これらの品を通して、天心の目指す文化財保存の道をひたすらに歩んだ新納の業績を紹介する。