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棚田康司展「入って飛ぶ」

24/1/17(水)~24/2/17(土)

ミヅマアートギャラリー

《宙を取り込むように》(部分) 2023 樟の一木造りに彩色、ステンレス棒 182×64×68cm 撮影:宮島径 ©︎ TANADA Koji Courtesy of Mizuma Art Gallery

第30回平櫛田中賞の受賞を受けて、2023年10-11月に岡山県・井原市平櫛田中美術館で開催された個展「線上に幅を 空間に愛を」に於いて、棚田は二体の新作を発表した。
《地上を取り込むように》《宙を取り込むように》と題された縄跳びをする像だ。
凛とした立ち姿の《地上を取り込むように》は、手にした長い縄でぐるりと空間を囲む。縄で大きく区切られた自分の領域に人々を寛容に招き入れているようだ。
一方の《宙を取り込むように》は、重力という宿命に抗い、軽やかに力強く跳ねるのびやかな身体性を持った像だ。自分自身を受け入れ、肯定し、その眼差しは先を見つめている。
境界線がはっきりすればするほど、矛盾や齟齬や軋轢が生まれ、色濃く分断していく。そんな世界の様子を目の当たりしながら、棚田はこの二体の像を彫り上げた。
境界線上に彫刻を存在させ、その線の幅を広げ空間に余地を持たせることで多様な見方が生まれていく。異なる思想や文化の中で、他者に理解を示し受け入れていくこと。そして、既存の価値観や制約から解き放たれて、自分を越えていくこと。
それは、棚田自身が30年にわたる創作活動を通して追求し続けてきた「人間の本質とは何か」という問いに対し、自らが作品という形で差し出したひとつの導きなのかもしれない。
本展はこの二体の作品を中心に、本展のための新作や、90年代に制作された作品などで構成され、棚田の思索の変遷を辿ることができる機会となる。
私たちはいま、不穏な空気に包まれながら不安や緊張を強いられる時代に生きている。境界線を跨ぎ、そこに広がる空間を共有したとき、そこからどんな世界が見えるのか、ぜひ会場で体感してほしい。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

12:00~19:00
日曜・月曜・祝日休廊

料金

無料

出品作家

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