カール・アンドレ 彫刻と詩、その間
24/3/9(土)~24/6/30(日)
DIC川村記念美術館
カール・アンドレ(1935~2024)は1960年代後半のアメリカを中心に興隆したミニマル・アートを代表する彫刻家だ。日本の美術館において初めての個展となる本展は、同一の形と大きさに加工した木、金属、石を床に直接置き、規則的に広がるアンドレの典型的な彫刻作品を大きな空間で展開する。アンドレは自身の作品が、それが置かれる周りの空間に作用するものであることを「場としての彫刻」という言葉で表している。
整然として無機質な印象とは裏腹に、実際の作品を前にすると、金属の光沢や錆、木の手ざわり、石の重みなど、物質それ自体の大らかな姿を目にすることができる。不揃いなユニットが並んでいることにも気が付くことだろう。
また、本展では知る人ぞ知るアンドレの詩をまとまったかたちで紹介する。タイプライターで断片的な単語を打ち込んで構成されるアンドレの詩は、読むことでも眺めることでも楽しめるものだ。彫刻に通ずる空間的、構造的な認識や、文学、美術、歴史、政治など作家自身の幅広い思考が反映されている。
彫刻と詩という離れた表現で展開する、簡潔ながらも単純ではないアンドレの作品を楽しんでほしい。(プレスリリースより)