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曽谷朝絵 深呼吸

24/4/30(火)~24/6/8(土)

西村画廊

Flora 2024 acrylic on paper on panel 162 x 97 cm

曽谷朝絵は1974年神奈川県に生まれ、2006年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻にて博士号(美術)を取得。2002年にVOCA 賞(グランプリ)を受賞するなど大学院在学中から頭角を現し、2013年には水戸芸術館で大規模な個展を開催した。また、絵画制作と並行して、カッティングシートを主材にした大がかりなインスタレーションも国内外の様々な公共施設で継続的に展開している。今年は2月に初の立体作品を横浜市HAZAWA VALLEY のパブリックアートとして発表。7月に川崎市市民ミュージアム主催で絵画とインスタレーションによる個展を開催予定だ。
曽谷の作品は、バスタブの水の波紋やそこにきらめくプリズム、時間の経過と共に移ろう暖かな日溜りなどが、鮮やかな色彩と驚異的な描写力によって体感的に抽出されているのが特徴で、視覚のみならず触覚や体温にも心地よく働きかけてくる親密で身体的な魅力を有している。そこには我々が日常的に体験し得る豊穣で細微な実感が濃縮された、小宇宙的な広がりが横溢しており、あふれる光に包まれるような感覚を観者に誘起する。
本展では、植物と光の眩しく躍動する生命力をとらえた新作絵画およそ15点を披露する。

光の雑草 曽谷朝絵

植物は光を食べて生きている。
いつも作品の中で光を求めている私は、だから植物に魅かれるのかもしれない。
雑草のシリーズの始まりは、コロナ禍で人の手が入らなくなった街のあちこちに雑草が繁り、森のようになっていたことである。その光景は、都市における自然と人間のパワーバランスは案外すぐにひっくり返されてしまうのではないかと思わされるような、爆発的なパワーに満ちていた。
その光景に魅了され、様々な視点で植物を描いてきたが、今回はこれまでよりも更に光にフォーカスしていると思う。
それも静止した光ではなく、見ているうちにどんどん光と影が入れ替わっていくような、片時も止まらない光である。
それは、植物も人間も光も常に動いているからである。例えば森の中に分け入ると、木々が風で色々な方向に動き、自分の視点も歩くたびに変わり、きらきらと光と影が入れ替わる。そんな光の体験そのものを描きたかった。
今回の作品には花も多い。
人は花に時に優しさを、時に悼みを、時に希望や愛を必死で託す。それは、あちこちで戦争が起きているこの不安定な時代においても、どこの国でもどの民族でも変わらない。
でも花自身は実はそんなことお構いなしに、ただ光を求め、爛々とパワフルに、システマチックに咲いている。まるで人間の世界で何が起こっても何の変わりもなく降り注ぐ太陽光みたいだと思う。
そんな、すごく美しく、すごく不気味でもある、光の化身のような植物たちに、絵の中に生きてもらいたくてこれらの絵を描いた。
むせ返るように花が咲き乱れる、光の雑草の森に迷い込んだような空間を作れたらと思っている。

同画廊での5度目ほぼ1年ぶりとなる曽谷朝絵の新作展に、どうぞご期待いただきたい。

開催情報

ジャンル
ギャラリー

10:00~18:00
日曜日・月曜日・祝日休廊

料金

無料

出品作家

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