内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙
24/6/11(火)~24/8/25(日)
国立西洋美術館
印刷技術のなかった中世ヨーロッパにおいて、写本は人々の信仰を支え、知の伝達を担う主要な媒体だった。羊や子牛などの動物の皮を薄く加工して作った紙に人の手でテキストを筆写し、膨大な時間と労力をかけて制作される写本は、ときに非常な贅沢品となった。華やかな彩飾が施され、一級の美術作品へと昇華を遂げている例も珍しくない。
同館では2015年度に、筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授の内藤裕史氏より、写本リーフ(本から切り離された一枚一枚の紙葉)を中心とするコレクションを一括でご寄贈いただいた。その後も2020年にかけて、内藤氏ご友人の長沼昭夫氏からも支援を賜りつつ、新たに26点の写本リーフを所蔵品に加えている。
同館は、2019-20年度に三期にわたり開催した小企画展で、内藤コレクションを紹介してきた。しかし、コロナ禍のさなかでもあったため、それらは小規模なものにとどまったと言わざるを得ない。こうした事情をふまえて、改めて内藤コレクションの作品の大多数を一堂に展示し、皆様にご覧いただくべく企画されたのが本展だ。また同館では、コレクションの寄贈を受けて以来、国内外の専門家の協力を仰いで個々の作品の調査を進めてきた。本展はその成果をお披露目する機会ともなる。
本展は、内藤コレクションを中心に、国内の大学図書館のご所蔵品も若干数加えた約150点より構成され、聖書や詩編集、時祷書、聖歌集など中世から近世初頭にかけて普及した写本の役割や装飾の特徴を見ていく。書物の機能と結びつき、文字と絵が一体となった彩飾芸術の美、「中世の小宇宙」を堪能してほしい。
開催情報
- ジャンル
- 美術館 西洋美術 現代美術
9:30~17:30
月曜日(ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、8月13日(火) は開館)、7月16日(火)休館
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
料金
一般1,700円
大学生1,300円
高校生1,000円
※中学生以下は無料。
※心身に障害のある方及び付添者1名は無料。
※大学生、高校生及び無料観覧対象の方は、入館の際に学生証または年齢の確認できるもの、障害者手帳をご提示ください。
※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生・教職員は、本展を学生1,100円、教職員1,500円でご覧いただけます。(学生証または教職員証をご提示のうえ会期中、ご来場当日に国立西洋美術館の券売窓口にてお求めください)
※観覧当日に限り本展観覧券で常設展もご覧いただけます。