浜口陽三と波多野華涯 ー匂い立つ黒と黒ー
24/6/11(火)~24/8/18(日)
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
静かな闇に浮かぶさくらんぼ。
浜口陽三(1909~2000)の銅版画は、光を含んだ闇のグラデーションが印象的だ。本展ではその銅版画と共に、陽三の父と交流のあった南画家・波多野華涯(1863~1944)の「蘭竹図銀屏風」を展示する。清流と切り立つ岩に竹と春蘭をあしらった銀屏風は、黒の濃淡によって、立ち上る霧や蘭の芳香まで表現され、臨場感をもって迫ってくる。浜口作品における墨絵の影響は、これまで幾度となく評論家に指摘されてきた。
今回は画風を超えたさらなる繋がりを求めて、永遠の時空で響き合う二人の画家の作品、とりわけ黒の諧調をご覧いただく。