島﨑良平展 「水域」
24/6/5(水)~24/6/22(土)
Gallery MUMON

島﨑良平は、浮世絵の伝統的な技法、構図、モチーフ等を歴史に学びつつ、本人が眺める私的な浮世、生活の中で実際に感じ、気づいたこと、時に個人的な情欲などを、作家が持つ独特のユーモアや見立てなどを含んだ表現で描き出す。
技術の面では、繊細さや豪快さなど多彩な筆致表現に対するこだわりを追求しながらその時の偶然性も柔軟に取り込むことで、究極の線を引けるように日々修練にいそしんでいる。
近年、作家はより強く「死」を意識するようになっているという。生や死に対する実感への渇望が作品の制作動機にもなっているとのことだ。生きているからこそ人間が抱く喜怒哀楽など刹那的な感情の儚さを噛みしめながらも、作家ならではのユーモアで笑いに変えることで前向きな気持ちに昇華したり、死に向かい変化していくからこその女體の美しさへの渇望と憧れからその美しさを表現することを目指す。
本展では、新たなモチーフである月の住人ルナリアンを描いた作品、浮世絵の古典から着想した制服姿の女性たちの作品や葛飾北斎の作品を基礎にした着物姿の美人画などを発表する。