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長沢 秀之|『「C通信Ⅱ」ネクロポリ ー島』

24/6/1(土)~24/7/6(土)

GALLERY MoMo Ryogoku

長沢 秀之| NAGASAWA Hideyuki “C89 月のウサギが向かうところ” 2023年 ©NAGASAWA Hideyuki

GALLERY MoMo 両国では、2024年6月1日(土)から7月6日(土)まで長沢秀之の個展『「C 通信Ⅱ」ネクロポリ ー 島』を開催いたします。

本展は、2022年の個展『「C 通信」 ー 目の記憶 -』の続編となる展示で、長沢がコロナ禍で見た夢をもとに描いた鉛筆ドローイングを写真に撮り、さらにPhotoshopで加工し、高機能プリンターでプリントアウトするという過程を経て展開してきた作品の展示となります。

前回の作品では“オレたち”がひとウサギに「ここは死者のこたつです。オマエらはここに入れない。なぜならボディをもっていないからだ。早く出て行け!」と言われ、あちこちさまよう中で、死者の世界、時空を超えた世界に入っていくという構成で制作されました。しかし、本展では、はじめから死者の街であるネクロポリに入っていく場面が描かれています。
 
長沢によれば、以前何回か訪れたことがあるイタリア、タルキニアのネクロポリの記憶が、ウクライナやガザの戦争とともに蘇ったと言い、前回の展示が、COVID-19からの『なぞかけ』に応えようとするものであったように、今回は戦争や死が『なぞかけ』として作品に反映されています。

今回展示する作品には、死者に関連する記述やモチーフとして石が頻繁に取り上げられ、実際の石も展示される予定です。その中で、「…死者と石は平等である」という言葉と共に「もっともめざましいのは、そのとき死者が生者とともにいることだ」(C 通信 119-1)と述べられているように死者の存在が大きなテーマとなっています。
 
そして、もうひとつの大きなテーマとして長沢は「ボディ」について描き、言及しています。これは単純な肉体回帰的な意味でのボディではなく、現代にあって消えかかっていく肉体が、常に死者の側から見つめられ、石、珊瑚、地層から問いかけられています。そして “オレたち” が最後にたどりつくのが記憶島(きおくしま)であり肉体の島でもあることに「ボディ」の意味が表れていることでしょう。

今回も、実際に紙に描いたドローイングは一点も展示されていません。しかし、作品として展示されている顔料インクのマット紙も、パソコンやスマホで見る透明な画像とは違ってひとつのボディとして区別されていることは明らかです。長沢にとってそれは人間の手(文字通りのボディ)とデバイスの手(もうひとつのボディ)による結合の結果でもあるのです。また、展示される一点の絵画は、世界を構成する粒子に関連したものであり、石を構成する粒子ともつながっています。これは前回の展示で提示した回析格子(構造色)へのひとつの応えにもなっています。

前回、山本和弘氏に寄稿していただきましたが、今回は、椹木野衣氏の寄稿を得て、カタログを作成しました。会場にてお手に取っていただき、一つの作品として展示と共にご高覧いただけましたら幸いです。
 

開催情報

ジャンル
ギャラリー

11:00 - 19:00、日月祝休

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