古伊万里から見る江戸の食展
24/7/11(木)~24/9/29(日)
戸栗美術館

2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」とは、日本の伝統的な食文化を指す。四季折々の旬の食材の使用にはじまり、調味や調理技術、盛り付けの美しさ、さらには使用する食器や食事をする部屋のしつらえといった食空間の表現も、和食の持ち味として重要視された。
江戸時代に誕生した伊万里焼(いまりやき)は、食器として主に大名や公家などの上流階級層に流通した。現代の食文化のルーツとされる江戸時代後期には料理文化が著しく発展し、磁器需要の裾野も広がりをみせる。多彩に展開していく器種のなかから定番化した形や文様には、現代の食卓にまで引き継がれたものも少なくない。
今でこそ鑑賞品として美術的な価値を見出されている伊万里焼だが、今展では「使う」ことに着目いたします。食事の場面で伊万里焼がどのように使用されてきたのかを、約80点の出展作品から紐解きつつ、江戸時代の食文化をご紹介する。