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空の発見

24/9/14(土)~24/11/10(日)

渋谷区立松濤美術館

私たちが毎日見ている「空」。現代では誰もが共通のイメージを描けるあたりまえの存在に思われる。ところが日本の美術のなかでは、近世になるまで「空」を現実的に描こうとする意識は希薄だった。障屛画では黄金地や金雲などがこの空間を占め、水墨画では余白のような位置づけである時もある。もとより「空」(そら)は(くう)とも読めるように、神の世界である「天」でも、人間のいる「地」でもない、曖昧な場所だった。
近世になると、西洋絵画などの影響をうけ、洋風画や泥絵、浮世絵などに青空が広がりだす。なかでも江戸時代、たびたび青空を描いた画家の司馬江漢(1747-1818年)が、蘭学から地動説を学び、科学的な空間認識を持っていたことは、「空」への意識の変化を考えるうえで示唆的だ。一方で、浮世絵のなかの典型的な空の表現“一文字ぼかし”のように、その表現は形式的、概念的なものであることもあった。
明治以降、本格的な西洋画教育や、科学的な気象観測の導入をうけ、刻々と変化する雲や陽光を写しとろうとする画家たちが登場する。ところが次世代には、表現主義やシュールレアリスムなどの新潮流の影響のなか、自らの心象をこの空間に托すように多様で個性的な「空」を描く画家たちが続くのだ。
そもそも、私たちの視点はふだん地上に向けられ、絵の中で「空」が主役となることは稀だ。地上で震災や戦災が起こり、人間の活動がなぎ払われたとき、廃墟上に広がる空、戦地で見上げた空などが、突如重い存在感を持ち出す。目の前にありつつも意識されなかった空間が大きく浮かびあがる様は、認知の不確かさを物語る。
現代、かつては従属的であった「空」を中心に据えることで、表現に活路を見出すアーティストたちも現れた。見えているけど、見えていない。本展は、こうした「空」の表現の変遷を通じて、そこに映し込まれる私たちの意識の揺らぎを浮かび上がらせようとするものである。
※会期中、一部展示替えあり
前期:2024年9月14日(土)~10月14日(月・祝)  
後期:2024年10月16日(水)~11月10日(日)

開催情報

ジャンル
美術館

10:00~18:00
月曜日(ただし9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)、9月17日(火)、24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)休館

※毎週金曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで

料金

一般1000円(800円)
大学生800円(640円)
高校生・60歳以上500円(400円)
小中学生100円(80円)
【リピーター割引】観覧日翌日以降の本展会期中、有料の入館券の半券と引き換えに、通常料金から2 割引きでご入館できます。なお、1枚の入館券につき、1回まで有効となります。

※( )内は団体10名以上及び渋谷区民の入館料
※土・日曜日、祝休日は小中学生無料
※毎週金曜日は渋谷区民無料 
※障がい者及び付添の方1名は無料
※入館料のお支払いは現金または渋谷区キャッシュレス決済アプリ「ハチペイ」のみとなっております。

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