特別企画展 禅宗の美
24/9/6(金)~24/10/14(月)
大和文華館
中国で成立し、日本で発展した禅宗は、座禅や禅問答を通じて、言葉による論理的な説明ではなく「以心伝心」の言葉のように心を通じて教えを伝えることを目指した。このような禅宗の教えは芸術制作にも大きな影響を与え、禅僧が自身の到達した心の境涯を墨蹟や絵画を通して表現することで独自の美術を生み出してきた。
同館所蔵の重要文化財 虎関師錬筆「墨蹟 法語」には、中洞禅人に与えた「心の外に法はなく、法の外に心はなし。心身一如、故に禅と云ふ。」の教えが説かれ、気迫にあふれる書風は虎関師錬の禅の心が反映されているかのようだ。本作品は令和4~5年度に保存修理を実施し、今回が修理完成の初めて公開となる。また同作品の対となる諸戸財団所蔵「虎関師錬墨蹟 坐禅語」の出陳が実現し、両幅が揃う初めての機会となる。
本展は、虎関師錬筆「墨蹟 法語」とともに、同館が所蔵する墨蹟・頂相・道釋人物画や、禅僧にまつわる水墨画のほか、特別出陳品を一堂に展示する。本展を通して、禅宗の歴史や精神に触れてもらい、中世に花開いた禅宗文化の多様な美術品の魅力を感じられる機会となってほしい。
※会期中展示替えあり