アレック・ソス 部屋についての部屋
24/10/10(木)~25/1/19(日)
東京都写真美術館
アレック・ソス 《Anna, Kentfield, California》〈I Know How Furiously Your Heart is Beating〉より 2017年 東京都写真美術館蔵 ⓒAlec Soth
アレック・ソス(1969-、アメリカ・ミネソタ州生まれ)は、国際的な写真家集団、マグナム・フォトの正会員であり、生まれ育ったアメリカ中西部などを題材とした、写真で物語を紡ぎだすような作品で、世界的に高い評価を受けてきた。
本展「部屋についての部屋(A Room of Rooms)」には、初めて出版されたシリーズであり、初期を代表する〈Sleeping by the Mississippi〉から、今秋刊行予定の最新作〈Advice for Young Artists〉まで出品される。30年に及ぶソスの歩みを単に振り返るのではなく、選ばれた出品作品のほぼすべてが屋内で撮影されているように、「部屋」をテーマにこれまでのソスの作品を編み直す、同館独自の試みとなる。
出品作品のひとつに〈I Know How Furiously Your Heart is Beating〉というシリーズがある。アメリカの詩人、ウォレス・スティーヴンズ(1879-1955)の詩「灰色の部屋(Gray Room)」の一節からタイトルがとられた本作は、2019年に同名の写真集としてまとめられ、ソスのキャリアにおいてひとつの転換点となっている。初期からソスはアメリカ国内を車で旅し、風景や出会った人々を大判カメラで撮影してきたが、本作ではそうしたロードトリップのスタイルではなく、舞踏家・振付家のアンナ・ハルブリン(1920-2021)や、小説家のハニヤ・ヤナギハラ(1974-)など世界各地にさまざまな人々を訪ね、その人が日々を過ごす部屋の中で、ポートレイトや個人的な持ち物を撮影している。すなわち、部屋とそこに暮らす人をテーマとするこのシリーズが、本展を生み出すきっかけとなった。
〈I Know How Furiously Your Heart is Beating〉では、静粛な空間で被写体から醸し出される親密さが大きな魅力となっている。「どれだけ激しくあなたの心臓が鼓動しているのか知っている」というタイトルは、その瞬間を写し留めたソスの胸中だけではなく、展示室というひとつの部屋の中で、作品と対峙するわたしたちの心の内までをも言い表しているかのようだ。
「ポートレイトや風景、静物などを定期的に撮影しているが、最も親しみを感じるのは室内の写真だ」と作家は述べている。ソスの作品に登場するさまざまな部屋や、その空間にたたずむ人々に意識を向けることで、果たして何が見えてくるのか。展覧会と写真集共に多くの支持を得る作家の表現の魅力を探る。
開催情報
- ジャンル
- 美術館
10:00~18:00
月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12/29-1/1)休館(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
※木・金は20:00まで
※入館は閉館時間の30分前まで
料金
一般 800(640)円
学生 640(510)円
中高生・65歳以上 400(320)円
※( )は有料入場者20名以上の団体、同館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引料金
※各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。
※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、TOPMUSEUM PASSPORT 2024提示者は無料
※第3水曜日は65歳以上無料
※各種割引の併用はできません。