再開館記念 『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル
24/11/23(土)~25/1/26(日)
三菱一号館美術館
三菱一号館美術館は2010年4月の開館以降、40本の企画展を開催してきた。2023年4月からは設備メンテナンスのために長期休館していたが、2024年11月23日に再開館する。これまでの活動を踏まえ、今後も東京・丸の内のランドマークとして、人々が集い、語り合い、新たな発見があるような魅力ある展覧会を継続して開催していく。
美術館は、時代の変化に応じて、常にその活動を見直す必要がある。そのために、時代を映す鋭敏なアーティストの感性を借りることが、ひとつの最善策であると考え、2020年の開館10周年記念展として企画された「1894 Visions ルドン、ロートレック」の開催に際し、現代フランスを代表するアーティストのソフィ・カル(1953- )氏を招聘する予定だった。しかし、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により、ソフィ・カル氏は来日を見送らざるをえず、現代アーティストとの協働というプロジェクトは再開館後に持ち越されることになった。
リニューアル・オープン最初の展覧会となる「再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」では、同館のコレクションそして展覧会活動の核をなすアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901)の作品を改めて展示し、そこにソフィ・カル氏を招聘し協働することで、同館の美術館活動に新たな視点を取り込み、今後の発展に繋げていくことを目指す。
ソフィ・カル氏は長年にわたり、「喪失」や「不在」について考察を巡らせていることから、今回の協働にあたり、「不在」という主題を提案された。一方、トゥールーズ=ロートレックは、「不在」と表裏一体の関係にある「存在」について興味深い言葉を残している。
「人間だけが存在する。風景は添え物に過ぎないし、それ以上のものではない。」
1897年の旅行中、アンボワーズの風景に感動していた同行者に対して発せられたこの言葉に象徴されるように、トゥールーズ=ロートレックは、生涯にわたって人間を凝視し、その心理にまで踏み込んで、「存在」それ自体に迫る作品を描き続けた。
トゥールーズ=ロートレックも彼が描いた人々も「不在」となり、今ではその作品のみが「存在」している。ソフィ・カル氏から投げかけられた「不在」という主題を通して、三菱一号館美術館は改めて、当事者が関わることができない展覧会や美術館活動の「存在」について考えていく。
開催情報
- ジャンル
- 美術館
10:00〜18:00
月曜日、 年末年始[12/31と1/1]休館(ただし、トークフリーデーの[11月25日・12月30日]と1月13日・20日は開館)
※祝日を除く金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
※年末年始の開館時間は美術館サイト、SNS等でご確認ください
料金
一般2,300円
大学生1,300円
高校1,000円
小・中学生無料
※価格はすべて税込
※障がい者手帳をお持ちの方は半額、付添の方1名まで無料
※前売りチケットほか、お得なチケットについて詳しくは公式サイトのチケット情報をご覧ください
※併せて、小展示「坂本繁二郎とフランス」もご覧になれます