特別展 志村ふくみ 100 歳記念 ―《秋霞》から《野の果て》まで―
24/11/21(木)~25/1/19(日)
大倉集古館
染織家・志村ふくみ(1924~)の 100 歳記念回顧展である本展は、紬織りを独自の感性と想像力で、芸術性の高い作品として発展させた人間国宝・志村ふくみの芸術思想と、自然にある無数の色を抽出し紡いだ糸を染め織るという、人と自然が共生する営みに一生を捧げる仕事を紹介する。ふくみが染織の道に入るきっかけとなった《秋霞》、100 歳を目前にして若き日を回想した《野の果てⅡ》、次世代へのメッセージを託した石牟礼道子原作の新作能「沖宮」の衣裳などを展示し、彼女の足跡を辿る。あわせて、ふくみを染織の道に導いた母・小野豊(おのとよ 1895-1984)と民藝精神や、ふくみの芸術精神を育んだ夭折の画家である兄・小野元衞(おのもとえ 1919-47)にも焦点を当てる。31 歳で染織の世界に入り、ものづくりに対する独自の芸術理念を貫きながら 70 年にわたって創りあげてきたふくみの作品の展観を通じて、多くの人々に感動を与え、その精神が後世に引き継がれてゆく契機となってほしい。