特別展 線表現の可能性
24/11/2(土)~25/1/26(日)
国立国際美術館
一枚の絵は一本の線を引くことから始まる。線にはいろいろな種類がある。直線、曲線、点線、波線。描く材料によっても線の表情はさまざまに変化する。鉛筆やペンが生み出す細く尖った線。木炭やチョークの太く軟らかい線。また、伝統的な東洋画の筆と墨による運筆法は、「書画一致」と呼ばれ、線に作者の人格が表れ出るものとされてきた。線描画は、かつては完成作のための習作や下絵として描かれ、対象の形態を明確に輪郭づけるためのデッサンとしての役割を担ってきた。線は世の中のあらゆる存在を分節化し、各々を意味の世界へと定着させるための手段であった。その際、現実には存在しない輪郭線という抽象的概念が絵画の基盤となった。一方、20世紀以降に誕生した抽象絵画では、独立した線表現として、線そのものが有している造形性が重視されるようになっていった。画家たちは新しい線の創出を目指し、線はかつてない多様な表情と表現性を具えていくことになったのである。こうして、線は絵画の原点であると同時に、今なおその表現領域を拡大し続ける、古くて新しいテーマとなっているのだ。
本展は、版画・素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点の作品によって、現代美術における線表現の多様性を示す機会とするものである。
開催情報
- ジャンル
- 美術館
10:00~17:00(金曜・土曜は20:00まで)
月曜日休館(11月4日、1月13日は開館し、11月5日、1月14日は休館)、年末年始休館(12月28日~1月4日)
※入場は閉館の30分前まで
料金
一般1,200円(1,000円)
大学生700円(600円)
※( )内は20名以上の団体料金および夜間割引料金(対象時間:金曜・土曜の17:00~20:00)
※高校生以下・18歳未満無料(要証明)
※心身に障がいのある方とその付添者1名は無料(要証明)
※本料金で、同時開催のコレクション展も観覧可