kanzan Curatorial Exchange 「生き延び」vol.3 緑の日々|上原沙也加
24/11/9(土)~24/12/12(木)
kanzan gallery
copyright: 上原沙也加
kanzan galleryではこのたび、外部に開かれた生としての生き延びについて考える展覧会シリーズ、kanzan Curatorial Exchange「生き延び」 Vol.3 として、上原沙也加の個展「緑の日々」を開催いたします。
台湾を撮影した新作のカラー写真で構成される本展覧会は、「VOCA展2024」で発表され奨励賞ならびに大原美術館賞を受賞した「幽霊たちの庭」とMISA SHIN GALLERY(東京)で公開された「花売りのおばあさん」を含むモノクロームのシリーズ「緑の部屋」と蝶番の関係にあります。双方のタイトルにある「緑」とは、台湾で長年歌い継がれている歌や、深い山の風景に由来しているそうです。モノクロームの「緑の部屋」では特定の場所とそれにまつわる来歴を扱ってきましたが、カラーの「緑の日々」はそれに限らずより広がりを持ったシリーズとなっています。
1993年生まれの上原沙也加にとって、沖縄とは日々の暮らしを営む場所であると同時に、生まれる前から何度も破壊され、その上で何度も復元されてきた風景のことでもあります。辿った歴史に違いはあれども、隣島である台湾に似たような痕跡と傷を見た上原はそれをカメラに収めていきます。
いずれ訪れる忘却や破壊の可能性に抗って上原は記録していきます。そうして残された痕跡は絶えず新たに解釈され続け、その意味は変化し続けます。それゆえ上原の写真には終わりがなく、彼女自身の生を超えて生き延びるのです。
kanzan gallery
kanzan Curatorial Exchange「生き延び」
外部に開かれた生としての生き延びについて考える展覧会シリーズ。
キュレーター:小池浩央