マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート
25/2/13(木)~25/6/8(日)
森美術館

キム・アヨン《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》 2022年 ビデオ 25分
仮想空間と現実世界が接続し、人工知能(AI)が飛躍的に発展するなか、新しいテクノロジーは私たちの日常生活に急速に浸透し、とりわけコロナ禍は仮想空間における活動を加速させた。また、顧みればテクノロジーとアートは、コンピューター・アート、ビデオ・アートなどの歴史のなかで常に併走してきた。近年のビデオゲームやAIの発展がアーティストの創造活動に全く新しい可能性をもたらす一方で、生成AIの登場は、人類の創造力にとっての脅威ともなっている。こうした動向は、現代アートの文脈においても大きく注目されている。
本展では、ゲームエンジン、AI、仮想現実(VR)、さらには人間の創造性を超え得る生成AIなどのテクノロジーを採用した現代アートを紹介する。そこではデジタル空間上のさまざまなデータが素材となった全く新しい美学やイメージメイキング(図像や画像を作ること)の手法、アバターやキャラクターなどジェンダーや人種という現実社会のアイデンティティからの解放、超現実的な風景の可視化、といった特性が見られる。ただ、これら新しい方法を採用しながら、アーティストの表現の根幹では普遍的な死生観や生命、倫理の問題、現代世界が抱える環境問題、歴史解釈、多様性といった課題が掘り下げられている。
「マシン」(※1)とアーティストが協働する作品や没入型の空間体験は、「ラブ(愛情)」、共感、高揚感、恐れ、不安など私たちの感情をおおいに揺さぶるだろう。現実と仮想空間が重なりあう本展は、人類とテクノロジーの関係を考えるプラットフォームとして、不確実な未来をより良く生きる方法をともに想像する機会となるだろう。
※1 ここで言う「マシン」は従来の重工業的な「機械」のイメージではなく、コンピューターおよびハードウェアの総称としての「マシン」を主に意味する。20世紀初頭には機械のスピード感やダイナミズムが象徴する新たな時代を「マシン・エイジ」と呼び、多様な芸術分野で支持された。本展では21世紀に広く浸透したコンピューターやインターネットに深く関わる新しい「マシン」時代のアートに注目する。なお、「ゲームエンジン」はハードウェアではなく、コンピューター・ゲーム制作に必要な機能をまとめたソフトウェアをさす。
開催情報
- ジャンル
- 美術館
10:00〜22:00
会期中無休
※火曜日のみ17:00まで
※4.29(火)、5.6(火)は22:00まで
※入館は閉館の30分前まで
料金
[平日]
一般2,000円(1,800円)
高校・大学生1,400円(1,300円)
中学生以下無料
シニア(65歳以上1,700円(1,500円)
[土・日・休日]
一般2,200円(2,000円)
高校・大学生1,500円(1,400円)
中学生以下無料
シニア(65歳以上)1,900円(1,700円)
※本展は、事前予約制(日時指定券)を導入。専用オンラインサイトから「日時指定券」をご購入ください。
※日時指定券の販売開始日は決まり次第お知らせします。
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしでご入館いただけます。
※表示料金は消費税込