DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然
25/2/8(土)~25/3/31(月)
DIC川村記念美術館
DIC川村記念美術館は1990年に千葉県佐倉市の緑豊かな北総台地に開館し、34年にわたり、移ろう季節とともに活動を続けてきた。梅や桜の花がほころぶ頃、館内の全ての展示室を用いてコレクション展示を行う。
「環境・建物・作品の3つの要素の調和」は、美術館の理想の姿として設立時に示されたものだが、時とともに「作品、建築、自然」の三要素として再定義され、今現在まで指針としてきた。企画展やイベントの新鮮な魅力と比べ、変化の少ないコレクション展示は、ともすると注目されにくいものだが、三要素の融合が最も純粋な形で現れる場として、同館では開館以来何よりも大切にしてきた。個々の作品の存在を受け止め、鑑賞する個人との語らいが生まれるよう細部まで熟慮された建築は、それぞれ全く異なる意匠を持つ11の展示室を基本として設計された。島々のように連なる展示室は、光の零れる窓のある廊下で結ばれる。屋外の自然を感じ、眼と心の休息を促すことで、次なる作品との出会いに気持ちを整えてくれるだろう。
美術館の建築は作品と自然を媒介し、訪れる人を迎える箱だ。30年以上におよぶ活動の中で多層の「出会い」の場を生み出してきた。この機会に私たちも基本に立ち返り、美術館と対話をしながら、約150点のコレクション作品を展示する。

