原田 郁・衣 真一郎 リポジトリ:内と外で出合う
25/2/22(土)~25/5/18(日)
太田市美術館・図書館

本展は、内と外の風景を、原田郁(1982-)と衣真一郎(1987-)の絵画によって提示する展覧会だ。
現代美術家の原田郁は、彼女だけの3DCGによる仮想世界「inner space」を拡張させ続けながら、自在にその中を歩き回り、その一角を絵画として描き起こす。画家の衣真一郎は、自身の故郷を中心に、古墳や山、田畑などを目印に歩き続け、その周囲にも目を向けながら風景を取り込み、絵を作っている。
「動物と夢想家とコンピュータとが同居している存在である人間」*とも言われる私たちは、それぞれが、それぞれの場所で風景を記憶と心に蓄積する。季節や時間の流れの移り変わりにより、その場限りの風景を見せてくれる屋外はもちろん、室内、あるいはデジタル空間であっても、その人の置かれた境遇、体調、気分によって、その場限りの風景が記憶に刻まれることは、多くの人が体験していることかもしれない。こうした内外の風景の蓄積が、私たちの「世界」を豊かにひろげているのだろう。
「リポジトリ repository」とは、貯蔵庫、収納場所あるいは墳墓などを意味する単語であり、デジタルデータを格納する構造のことも指す。美術館・図書館という同館の性質を言い表すのと同時に、二人の作家がフィールドとする、広がり続ける仮想世界や、植物にまぎれながらあり続ける古墳をも想起させる単語だ。作家は、それぞれのリポジトリで風景に出合い、 “内=自身の心象を反映させた仮想世界”と、“外=刻一刻と変化する土地”を画面にあらわす。二人が各自の方法でつくりあげた内と外の風景を観ることで、それが皆様の「世界」をほんの少しでもひろげるきっかけになることを願って、本展が開催される。
*イーフー・トゥアン、山本浩 訳『空間の経験 身体から都市へ』筑摩書房、1993年、p.15.
開催情報
- ジャンル
- 美術館
10:00〜18:00
月曜日(ただし、2月24日、5月5日は開館)、2月25日(火)、26日(水)、3月25日(火)、4月30日(水)、5月7日(水)休館
※入館は閉館の30分前まで
料金
500円(400円)
※( )内は20名以上の団体および太田市美術館・図書館カード、ふらっと両毛 東武フリーパスをお持ちの方。※
高校生以下および65歳以上、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方とその付添人1人は無料。※
おおた家庭の日(3月2日(日)、4月6日(日)、5月4日(日))は中学生以下の子ども同伴のご家族無料。