京都芸術センター開設25周年記念展「そのへんにあるもの」
25/4/12(土)~25/6/8(日)
京都芸術センター

京都芸術センターでは2025年4月12日(土)から6月8日(日)まで、開設25周年記念展『そのへんにあるもの』を開催する。
ギャラリー南の「京トマソン マラソン!」(KyOtOmAsOn MArAthOn!)展は、「超芸術トマソン」の概念を学び、体験しながら探究する参加型の展覧会。「超芸術トマソン」とは、赤瀬川原平 (1937-2014) が提唱した「不動産に付着し、美しく保存されている無用の長物」だ。トマソンは、芸術作品と同じく、あるいはそれ以上に、無用なものであるに関わらず、建築物に付着し意図的に保存されているかのように見える。作者が存在しないにもかかわらず、それは見る者にとって芸術作品のように映る。本展では、展示資料、写真、ワークショップ、朗読会、「トマソン公開報告会」 などの参加型イベントを通じて、観察の視点を養う機会を提供する。街を観察する楽しみを共有することが、本展の目的だ。
一方、ギャラリー北や館内各所では、「トマソン」を見出した赤瀬川原平と似た視点を持つと思われるアーティスト5名の作品を展覧する。映像、彫刻、あるいは考現学的な調査資料のような多彩な作品は、そのへんにある風景を新たな視点で楽しむ方法を示してくれるだろう。
遠くにある高尚なものではなく、身近にあるささやかなものへ―。こうした視点の転換が、アートワールドにおいて繰り返されてきたことは承知している。しかし、25周年という節目を迎えた今、改めて私たちは身近な風景を見つめ直したいと考えている。