島﨑良平展「八百万の少女」
25/5/7(水)~25/5/24(土)
Gallery MUMON

「本展では、少女と日本の神々、人形や骸骨、妖怪などが多く登場します。
改めて、少女を描く動機を考えてみたところ、少女は生の鮮烈な時期にあり、また、子供と大人の狭間の曖昧さがあるからこそ無垢であり、それを美しいと感じるからかもしれません。一方で、骸骨や鬼、人形、神々を少女とは対照的な存在として描くのは、生の対照として、いずれ朽ちて土に還るという生き物の無常さのようなものを何か形にしたいからなのかなと考えたりしています。少女たちを生の象徴として、神々・人形・骸骨や妖怪などを死や無常の象徴として描くことで生と死を表現しています。」(島﨑良平)
島﨑良平は、浮世絵の伝統的な技法、構図、モチーフ等を歴史に学びつつ、自身の目に映る浮世(憂き世)、日々の生活での気づきや感情、個人的な情欲などを作家が持つ独特のユーモアや見立てなどを含んだ表現で描き出す。
近年はより強く「生と死」を意識し、それらに対する実感への渇望が制作動機にもなっているとのこと。生きているがゆえの刹那的な感情の儚さを噛みしめながらも独特な感覚で笑いに転換することで前向きな気持ちに昇華し、死に向かい変化していくからこその女體の美しさを表現することを目指す。
繊細さや豪快さなど多彩な筆致表現を追求しながら偶然性も柔軟に取り込むことで、より理想の線を引けるよう日々修練にいそしんでいる。