うつわの彩り-𠮷田耕三と北大路魯山人
25/6/17(火)~25/8/24(日)
茅ヶ崎市美術館

北大路魯山人 「黄瀬戸菖蒲文四方隅切皿」 1951年頃
かつて茅ヶ崎に居住した美術評論家・𠮷田耕三(1915-2013)の陶磁器コレクションの中から、北大路魯山人(1883-1959)を中心とした陶芸家の作品約80点を初めて大規模に公開する。
𠮷田耕三は義父である速水御舟(1894-1935)から絵画を、魯山人や小山冨士夫(1900-1975)などからやきものの薫陶を受け、東京国立近代美術館開館初期の研究員として長く活躍した。美術館では展覧会に携わる一方、若手工芸作家の発掘にも熱心だったことで知られている。研究者・収集家として、ときには自らも作陶し、絵も嗜んでいた𠮷田ならではの視線で手元に置かれたコレクションは、その多くが日常に用いられる器だった。
美食家として知られる魯山人は食べ物にふさわしい器の作陶を試みて研究を重ね、独自の世界観を持った唯一無二の作品を制作してきた。古陶を下地としながらも、自由かつ豊かな発想で生み出された器は見る人を虜にさせる。また、𠮷田が定年前の最後に回顧展を担当した濱田庄司(1894-1978)や、伝統的な益子焼にオリジナリティあふれるモダンデザインを取り入れた加守田章二(1933-1983)など、コレクションは魅力的な作品群にあふれている。日々の暮らしで用いられ、食卓を彩った器の数々を楽しんでほしい。