原良介 サギ子とフナ子 光のそばで
25/6/14(土)~25/9/15(月)
平塚市美術館

《サギ子》2024年 作家蔵
原良介は1975年神奈川県平塚市生まれ、2002年多摩美術大学大学院在学中に第2回トーキョーワンダーウォール展にて大賞を受賞するなど早くから注目をあつめた。2009年には東京オペラシティアートギャラリーで「projectN 36 原良介」、2012年には茅ヶ崎市美術館で「原良介 絵画への小径」が開催され、その後も個展等での活動を続けている。
原の作品は油絵具による一層のみの筆致で対象を的確に捉えた、明るい色の光あふれる風景を特徴としている。活動をはじめた当初の一連の作品では、ピンホールカメラの画像のように、動くものの形があいまいになったり消えたりするさまを、鑑賞する人の視線の動きに重ねて描いている。近年では、風景を画面の中に置かれた物体のように描いたり、それを画面から取り出して立体作品として表現することもある。いずれも実在していても捉えられないもの、あり得たかもしれない現実に光を当てて、絵画空間を作り出す試みといえるだろう。
さらに、描かれる風景は人と自然との接点となる身近な場面であり、それらは軽快な筆致と明るい色とあいまって作家のあたたかな眼差しも感じさせ、見る人にとってどこかで出会った風景を想起させる。
本展では、一貫して追求している光の表現を中心に、近年レジデンスやアートプロジェクトでの制作も精力的におこない、多彩な広がりを見せている原良介の現在地点までを紹介する。また、平塚の子どもたちを対象に身近な自然との接点を表現するワークショップを行う。