夏季展「書斎を彩る名品たち―文房四宝の美―」
25/7/5(土)~25/8/31(日)
永青文庫

百壽散らし象牙紫檀軸筆
「文房」とは、中国の文人が詩作や読書にふけるための書斎を意味し、そこには彼らの高い教養を反映した様々な道具「文房具」が揃えられていた。特に筆・紙・硯・墨は重要視され、「文房四宝(ぶんぼうしほう)」と呼ばれる。そうした文房四宝を愛好したのが、永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ、1883~1970)だ。護立は、禅画や刀剣、日本近代絵画の収集で知られるが、中国の陶磁器や仏像にも関心を広げ、文房具も収集した。1972年に開催された「永青文庫開館記念展」では、護立の中国美術コレクションから文房具が多く紹介されており、細川家で重視された分野であったことがうかがわれる。本展では、永青文庫が所蔵する中国の文房具について調査を行い、改めてその魅力を紹介する。
また2階展示室では、煙草入れなどの喫煙具(きつえんぐ)を特集展示する。煙草入れは、きざみ煙草を持ち歩くための入れ物で、江戸時代に喫煙が一般化すると携帯に適した様式が確立した。多様な技法や珍しい素材を用いた豊かな装飾をご覧いただきたい。