古伊万里カラーパレット―釉薬編―
25/7/11(金)~25/9/28(日)
戸栗美術館

展覧会『古伊万里カラーパレット』は江戸時代の伊万里焼の「色」を特集した、夏秋連続企画展示。夏は釉薬、秋は絵具と、古伊万里の「いろどり」を二季連続で紹介する。前期の夏季にあたる今展では、釉薬による装飾に注目する。
釉薬とは、やきものの表面に施されるガラス質の膜だ。耐水性のほか、色や質感といったうつわの装飾性を高める役割を担っている。伊万里焼では、白い素地と透明釉による白、瑠璃釉による青、青磁釉による青緑、銹釉による茶が初期から主にあらわされている。基本は1種類の釉薬でうつわ全体を覆うが、ひとつのうつわに複数の釉薬を掛け分けたり、筆で描いた文様と組み合わせたりと、釉薬による色の表現に注目するとそのヴァリエーションの豊かさに驚かされる。
なお、釉薬のみに焦点を当てて通観する展覧会は同館では約7年ぶりの開催。伊万里焼を通史的かつ網羅的に収蔵する専門美術館ならではの視点で、釉薬による多彩な装飾を楽しむことができる館蔵の伊万里焼、約80点を厳選。 驚くほどに豊かな、いろどりつやめく釉薬の世界を堪能してほしい。