広がる屛風、語る絵巻
25/5/24(土)~25/8/3(日)
細見美術館

「屛風」は風よけや間仕切りとして使用された実用性の高い調度。空間を彩る美術品として多くの絵師たちによって絵が描かれ、さまざまな画題や様式による屛風絵が展開した。人の背丈ほどの屛風では、大きな画面に広がる絵画世界と一体となった感覚を味わえる。
「絵巻」は、巻物(巻子かんす)形式の絵画で、鑑賞者が自ら開き、巻き進めながら見るもの。コマ割りされた絵を連続させることで空間の移動や時間の推移を表現できることから、物語性のある主題が多く描かれた。後世に切断され、掛軸となった「断簡」も数寄者たちに賞玩されてきた。
本展では、細見コレクションを中心に、空間に広げて鑑賞した屛風と、手許で展開して楽しんだ絵巻を紹介する。豊臣秀吉の花見行列を描いた《豊公ほうこう吉野花見図屛風》のほか、室町幕府第11代将軍足利義澄が愛蔵していた《硯破すずりわり草紙絵巻》など、異なる形式の絵画の特質に触れるとともに、個々の作品の魅力を堪能してほしい。
※一部展示替えあり