京都の巨匠・木島櫻谷 画三昧の生涯
25/4/26(土)~25/7/6(日)
嵯峨嵐山文華館

京都の三条室町に生まれた日本画家・木島櫻谷は、16歳から花鳥画を得意とする今尾景年に師事し、徹底した写生を礎に若くして画名を知られるようになった。
明治時代の絵の勉強といえば、手本通りに対象を描き写す「臨画」(りんが)が主流だったが、櫻谷は漢詩にも精通していたうえ、歴史画を得意とする菊池容斎に私淑し、洋画家の浅井忠とも交流して芸術への造詣を深めていた。こうした努力が実を結び、青年期から頭角を現した櫻谷は、明治40年(1907)に始まった文部省美術展覧会(文展)において動物画、歴史画、風俗画など多岐にわたる画題で6年連続の上位入賞という快挙を成し遂げる。
他人との関わりをあまり好まなかった櫻谷は、大正2年(1913)になると京都の市中から北西に位置する衣笠へ移住し、制作の傍ら、趣味の詩書に心を寄せる隠居生活を送った。一方、画家としては人々から大きな期待を寄せられ、帝展の審査員を務めるほか、海外の展覧会にも出品を依頼されるなど、京都を代表する画家としてゆるぎない地位を築く。
第2会場となる嵯峨嵐山文華館では櫻谷作品とともに、櫻谷に続いて衣笠に居を構えた菊池契月、堂本印象、小野竹喬などの作品もご紹介。同時代を生き、同じ環境を求めた彼らの芸術が今、一堂に集う。
櫻谷の魅力に迫る2館同時開催の展覧会を、この機会にぜひ楽しんでほしい。
前期:4月26日(土)~6月2日(月)
後期:6月4日(水)~7月6日(日)