リト@葉っぱ切り絵展 ~小さな葉っぱに広がる世界~
25/7/26(土)~25/9/7(日)
武蔵野市立吉祥寺美術館

《そっちはママじゃないよ、戻って戻って!》©Lito
空にかざされた一枚の小さな葉っぱ。手のひらサイズほどの葉っぱの中には、繊細で緻密な切り絵が施されており、いきものたちの会話が今にも聞こえてくるかのようなあたたかい世界が広がっている。
葉っぱ切り絵アーティスト・リトは大学卒業後、会社員として約9年働いたが、働きにくさから自身がADHDであることに気付く。退職し、自分に何ができるかを考えた時、「ADHDの特徴でもある、細かい作業に集中しはじめると周りの声も聞こえないくらい没頭できる自分にはアートが向いているのでは」と、偏った集中力やこだわり力を前向きに活かそうと考え、独学でアート制作に取り組み始める。緻密なボールペン画から始まり、スクラッチアート、粘土絵付け、紙の切り絵など試行錯誤の末、ついに葉っぱ切り絵に辿り着いた。葉っぱの形状や模様、色を活かし、限られたスペースの中にいきものたちを切り抜いた作品の数々は、その精巧な技術に驚かされるだけではなく、いきものたちの息づかいや話し声まで聞こえてくるような物語性に溢れている。
本展では、独自の世界観を展開した葉っぱ切り絵と、そこに辿り着くまでの試行錯誤の創作の軌跡を紹介する。