立体の人々 新井浩太 翁素曼 小田橋昌代 片山康之
25/8/2(土)~25/8/17(日)
Bunkamura Gallery 8/

小田橋昌代 「ゆめうつつ」 ガラス、真鍮
ここに一つの人間の形をした彫刻がある。
目の前の“人”は何を想い、どんな時を経て、今この瞬間にたたずむのだろうか?
わたしたちは日々の中、一篇の映画を見たり本を読んだりするように、様々な物語と出会う。時には思いもよらない冒険の旅に出かけたり、出会いと別れを繰り返したり、自分を重ねる事で、数多の想いを抱え自身の感性を豊かにすることができるのだ。
本展ではそんな物語との出会いのように、自分の世界とは異なるひと時を与えてくれるようなストーリーあふれる「人物像」をつくりだす4名のアーティストを紹介する。
新井浩太
陶作品ならではの自由で力強い痕跡の数々。制作する指と土が溶け合い現れた造形は、うねる様にあいまいな内面を探り、確かな人の気配を帯びていく。
翁素曼
生まれ育った中国の生活や文化・記憶がルーツとなり生み出された独特の木彫作品。異国で出会った人々や空気感を纏った様な世界感からにじみ出るユーモアに心が弾む。
小田橋昌代
ガラスの硬質なイメージを覆す様な光を内包した柔らかな質感を持つ女性像。幼さの中にも洗練された詩的な物語を感じさせる。
片山康之
様々な技術を駆使して作り出される静謐な人物像。奇妙なマスクを身に着けた作品は、自己と向き合い佇む私たちのようでもある。
有機的でも無機的でもない“人々”は時に見つめ、時に寄り添う、そんな存在感を持った魅力に溢れている。緻密で丁寧な仕事が垣間見える素朴かつスタイリッシュな立体作品の数々。
そんな立体の人々が語りだすあなただけの『物語』を見つけにきてほしい。