上田佳奈「particle」
25/8/2(土)~25/9/6(土)
ギャラリーノマル

photo: Yoshitaka Orita
浮遊するparticle(粒子)は曖昧な像を結び、「見る」ことを問いかけるー
2025年最注目の作家、上田佳奈ギャラリーノマル初個展
上田佳奈は、「版」を通じて写しと実像の間に生じるわずかなズレや曖昧さに着目し、知覚や認識のあり方を問い直す作品を制作してきた作家だ。
兵庫県に生まれ、ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズでファッションデザインを学んだ後、大阪美術専門学校で版画を履修。以来、版画を中心に、写真や映像も手がけ、関西を拠点に各地で精力的に発表を続け、評価を高めてきた。今年2025年には、「第4回PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ」で大賞を受賞。今最も期待される若手作家の一人として注目を集めている。
ノマルでは、2020年の若手公募展「U30 - Whom do you suspect?」に初参加。その後3度のグループ展を経て、本展が上田にとってノマル初個展となる。今展の中心となるのは、「particle」と「#illusion #幻影」という二つのシリーズだ。
「particle」シリーズでは、点の集合による印刷技術と、あらゆる存在が粒子でできているという科学的視点から、肖像というモチーフに新たな意味を与えている。ミクロな単位の積層がマクロな像を形づくるその構造は、私たちの世界への眼差しを問い直す。
一方の「#illusion #幻影」は、SNS上で読み込み中に表示されるぼやけた画像に着想を得たシリーズ。不安定な通信環境下で一瞬だけ現れる曖昧なイメージを、シルクスクリーンで粗い網点として定着させた作品群は、個人的な投影を許容する“鏡”のように、見る者の記憶や感情を呼び起こす。
いずれのシリーズも、上田が一貫して追求してきた「見る」行為と「写す」技法、そしてそこに潜む不確かさへの問いから生まれたものだ。さらに本展では、ノマルの工房と初めてコラボレーションした版画作品も発表予定。「版」への新しいアプローチを紹介する。
我々の知覚そのものに新たな問いを投げかける、ノマルでの上田佳奈の試み。多くの方が驚愕と感動を覚えることを確信している。
開催情報
- ジャンル
- ギャラリー
13:00~19:00
日曜・祝日、8月10日(日) - 14日(木)休廊
■ Gallery Talk & Opening Party
2025.8.2 sat 18:00 - *予約・料金とも不要
■Closing Live "particle"
2025.9.6 sat, open 19:00 / start 19:30 -
chage: adv.¥2,500. / door ¥3,000. *予約制 (定員30名)
act: sara (.es) x 宇都宮泰 Yasushi Utsunomia
料金
無料