堀浩哉「触れながら開いて2」
25/8/6(水)~25/9/6(土)
ミヅマアートギャラリー

《触れながら開いて-18》 2024 墨、岩絵具、油性マーカー、アルミ粉、和紙、キャンバス 227.3×181.8cm 撮影:宮島径 ©︎HORI Kosai Courtesy of Mizuma Art Gallery
ミヅマアートギャラリーでは、8月6日(水)より、堀浩哉展「触れながら開いて2」を開催する。
堀浩哉が2020年から制作を始めた《触れながら開いて》は、当時のパンデミックという社会的断絶をきっかけとしながら、やがて堀自身の内的な時間──表現の根源や「描く」という行為の在処──へと深く潜行していくシリーズへと展開してきた。
その時々に触発された言葉をタイトルに選びながら絵画を生み出すスタイルは、このシリーズにおいても変わらず息づいており、《触れながら開いて》は、時代性を帯びながらもきわめて個人的な、だからこそ親密に響く作品群へと発展している。
本展では、《触れながら開いて》シリーズの新作を中心に発表する。
今回は、大中小さまざまなサイズのキャンバスがギャラリー空間に並ぶ。原色に近い赤や青、黄色などの鮮やかな色彩と、たおやかに流れる線、その背面に幾重にも重ねられた下地が、静かな説得力とともに、内から外へと広がる力を湛えている。
美術家としての活動初期から、堀は一貫して美術における制度性に疑問を投げかけ、「境界線上に立つ」という立場から、社会や芸術の常識に迎合せず、自らの表現を切り拓いてきた。堀にとって描くという行為は、単なる再現ではなく、空間に開かれた表現の軌跡であり、それ自体がこの世界への応答であり、問いでもある。
半世紀以上にわたる作家活動を振り返りながら、変わらず「描き続ける」ことで歩みを進める堀浩哉の現在を、ぜひご覧いただきたい。