幕末土佐の天才絵師 絵金
25/9/10(水)~25/11/3(月)
サントリー美術館

土佐の絵師・金蔵(きんぞう・1812~76)は高知城下で生まれ、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風をのこし、地元高知では「絵金(えきん)さん」の愛称で長年親しまれてきた。歌舞伎や浄瑠璃のストーリーを極彩色で絵画化した芝居絵屏風は、同時代の絵画のなかでも一段と異彩を放つものである。絵金の屏風は、今なお夏祭りの間に神社や商店街の軒下に飾られ、提灯や蝋燭の灯りで浮かび上がる画面は、見る者に強い印象を残している。
1966年に雑誌『太陽』で特集されたことを契機に、絵金は小説・舞台・映画の題材として取り上げられ、1970年前後には東京・大阪の百貨店で展覧会が開催されるなど一時ブームとなった。高知県立美術館では1996年と2012年に回顧展が開かれているが、芝居絵屏風の多くが神社や自治会などに分蔵されており、それらをまとめて観られる機会は滅多にない。
近年、高知県香南市赤岡町に絵金蔵が開設され、香南市野市町には創造広場「アクトランド」(現・アクトミュージアム)の絵金派アートギャラリーがオープンするなど、絵金の画業を再評価し、作品を保存・研究・展示する環境が整ってきた。高知県外で半世紀ぶりとなる本展は、あべのハルカス美術館(2023年)、鳥取県立博物館(2024年)へ巡回し、いよいよ東京での開催となる。
サントリー美術館は「生活の中の美」を基本理念としている。「夏祭りに夕立が来たら、屏風より先に提灯を片付けた」と語られるほど、絵金は生活に溶け込みつつ、高知の文化のなかで大切に受け継がれてきた。東京の美術館では初の大規模展となる本展を通じて、絵金の類稀なる個性と魅力を楽しんでほしい。
※作品保護のため、会期中展示替を行う
※本展はあべのハルカス美術館(2023年)、鳥取県立博物館(2024年)にて開催された展覧会の巡回展
開催情報
- ジャンル
- 美術館
10:00〜18:00
火曜日休館(8月19日は開館)
※金曜日は20:00まで
※9月23日、10月28日は18:00まで
※11月1日(土)、2日(日)は20:00まで開館
※9月26日(金)、27日(土)は六本木アートナイトのため21:00まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
料金
<前売>
一般1,600円
大学生1,000円
高校生800円
<当日>
一般1,800円
大学生1,200円
高校生1,000円
※中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介助の方1名様のみ無料
[チケット販売場所]
サントリー美術館受付(火曜日、展示替え期間中を除く)
サントリー美術館公式オンラインチケット
ローソンチケット:Lコード 33532(前売・当日券共通)
セブンチケット:セブンコード 110-955(前売・当日券共通)
※前売期間は7月2日(水)から9月9日(火)まで
※サントリー美術館受付での前売券販売は8月24日(日)までの開館日に限る
◇100円割引
・あとろ割:国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示
・20名様以上の団体
※他の割引との併用はできません